7月30日、出雲・雲南地域広域連携生態系ネットワーク推進協議会主催の「ヒツジグサ観察会」が開催されました。「ヒツジグサ(未草)」は未の刻(午後2時頃)に花が咲くことから名付けられたとされる、日本古来のスイレンで、島根県の準絶滅危惧種に指定されています。
会場の水田(休耕田)は、同協議会が指定する雲南市大東町仁和寺のモデル集落内にあり、コウノトリの採餌場でもあります。「10数年前によけじ(土水路)を作った。ヒツジグサを見つけたのは10年くらい前。そのうち、コウノトリが来るようになった。何とか頑張って維持したい」と話すのは、水田を管理する松田勉さん。
講師の佐藤仁志さんは、当日、観察会場の水田で採取した水生生物を並べて、「ヒツジグサが咲くだけでもすごいことだが、ここにはイヌタヌキモの花も咲いている。珍しいゲンゴロウのなかまも見つかった。様々な希少生物が生息する、とても貴重な場所。コウノトリが選んだ理由と言えるのではないか。雲南の宝、島根の宝になり得る」と参加者に解説しました。
参加した地元住民らは、熱心にメモを取ったりしながら、ヒツジグサなどを観察し、「身近なところに貴重な環境があることが分かった」「後世に引き継いでいかなければならない」と感想を話していました。
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